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慣性モーメントのお話し

ロードバイク系のブログを読んでいると、極たまにですが「ホイールを交換すると自動車で言うバネ下重量の軽減と同じ効果がある」とトンデモ理論を書いてるブログを見かける事があります。

 

違いますよ!

 

ロードバイクのホイールが軽くなる事とバネ下重量が軽くなる効果は全く関係ないです。


そもそも「バネ下重量の軽量化は車体の軽量化の何倍も効果がある」と言う能書きは知っていても、なぜそうなのかを知ってる人は少ないですよね。
まず車のサスペンションが円運動だと理解している人が少ないです。多くの人が直線運動だと思ってます。
スプリング単体、ショックアブソーバー単体で見れば確かにそうですが、サスペンションシステム全体で見たらロアアームの軸を中心にハブが円弧を描くように上下に動く円運動の一部分です。

 

サスペンション

拙い絵で申し訳ないですが、図の赤い点がロアアームの軸。
この軸を起点にロアアームが円弧状に動きます。つまりロアアームの長さは慣性モーメントにおける半径であり、ハブやホイール、タイヤの重さが慣性質量と言う事になります。

慣性モーメントとは、ざっくり言うと物体の回転のしずらさです。
慣性モーメントは外周の任意の一点の質量と半径の2乗に比例します。


慣性モーメントが大きいと、ホイールは上下運動をしづらく、一度動くと収束しづらくなります。
つまり軽量をホイールを履くと車体から見るとタイヤの上下動が機敏になるし、サスペンション側から見ると車体の動きが機敏になります。

 

だんだん自転車ネタなのか自動車ネタなのかわからなくなってきましたが、ロードバイクでホイールを軽量な物に交換して運動性能が上がるのは、

  1. ホイールの外周が軽いとホイール自体の回転運動における慣性重量が軽減する
  2. 高いホイールは大概ハブの性能も良いのでよく回る
  3. 上り勾配ではホイールも含めた総重量が軽い方が重力が小さくなる


と言った所でしょうか。くどいようですが自動車で言うバネ下重量とは無関係です。

※サスペンションがついてるMTBの場合、話がちょっと変わってきます

 

自転車で慣性モーメントが関係するのは、パッと思いついたところでは

  1. ホイール単体で見た時のホイールのリム、タイヤの重量
  2. クランクの長さとペダルの重量
  3. ダンシング時における車体の大きさと車体上部の重量

あたりかなと思います。
ダンシングにおける円運動の中心は路面とタイヤの接点なので、重量物は出来るだけ下の方があった方が有利です。
例えばドリンクホルダー、サドルバッグ、サドル、ステム、ハンドル、ブレーキ&シフトレバー、この辺が重いと車体を振った時に勢いがついてブンブン動く感じがすると思います。