ロードバイクに乗り始めると、よく「サドル沼」という言葉を目にしますよね。
乗っているとお尻が痛くなってしまい、新しいサドルを買っては試し、だめならまた新しいサドルを買って試しと、取っ替え引っ替えしてどんどん沼にハマっていくと言うヤツです。
上級者の人は何かにつけ「フォームに問題がある」「ポジションが悪い」と言いますが、骨盤の広さや柔軟性、そもそもロードバイクに乗る目的が人それぞれなのですから、「合わないサドル」と言うのは確実に存在すると思います。
確かに前傾姿勢が深い程サドルへの圧は減りますし、負荷を上げれば(速度域を上げれば)ペダルへの荷重が増える事で荷重が分散され、相対的にサドルへの荷重が減ると言うは御説ごもっともですが、ポタリングを楽しんでいる人にもっと前傾姿勢を取れ、速度を上げろと言うのは全くもってナンセンスな解決方法ですよ。
ちなみに僕の場合は、幸いな事にお尻の痛みに悩まされた事はあまりありません。
全く痛くならないと言う事はないですが大体許容範囲です。
今現在、3台のロードバイクを所有していますが、3台とも違うサドルがついてます。
ネオプリマートにはSelle SMPのLite209。
SKにはSpecializedの Power Expert。
TCRにはPrologoのNAGO EVO Tri40。
僕の走行距離レンジは長くても150〜160km、普段は100km以内が多いのですが、これらのサドルは多少の痛みは出てもどれも許容範囲です。
過去にはフィジークのアリオネも試した事がありますがアリオネでも大丈夫でした。
GIANTの純正サドルや初めて買ったIntermaxについてたVelloの安いサドルも100kmくらいまでなら大丈夫でしたね。
なら、なんで取っ替え引っ替えしてるかと言うと、バイクが替わって色が合わなくなったとか、評判が良いから試してみようと単なる興味本位で買ったりとかです。
お尻の痛みから解放されたくて、藁をも掴む思いで買ってみたと言うのは1つもありません。
ただ唯一、合わなかったサドルもありました。
弟が使っているSelle ITALIAのSLRをライド中に交換してみた事があるのですが、乗り初めてすぐにお尻が痛くなり、ものの5分くらいで根を上げて元に戻しました。
フォームが悪い、ポジションが悪いと主張する人は、僕のこのSelle ITALIA SLRの一例だけをとってもフォームやポジションが悪いと言うのでしょうか?他のサドルなら大丈夫なのに?
それとも、「その当時はポジションがあってなかったに違いない」とでも言うのでしょうか?(笑)
合わないサドルは確実にあります。
そもそもポジションやフォームで解決するならメーカーは色んな形のサドルを出さない筈です。
SpecializedのPOWERなんて同じモデルでも坐骨の幅に合わせてサドル幅が130mm、143mm、155mm、168mmと4種類もあります。
まず適切なフォームとポジションを、と言うのが間違っているとは思いませんが、それがより速く走る為にフォーカスされているものなら我々ポタ勢にはまるで意味がありません。
理論上の最適フォームなどはなから求めてませんから。
のんびりゆるゆる走るならアップライトな姿勢でも全く問題ないと思います。
お尻や股が痛い以外、他は快適であるならば、試しにサドルを交換してみると言うのは僕は間違ったアプローチとは全然思いません。
サドル沼にはまっている人が1人でも多く沼から這い上がれますように。